帆立(ホタテ)で疲労回復
ホタテは、タウリンやグリコーゲンが豊富で、疲れを癒す高機能食材です。眼精疲労の回復、糖尿病の予防にホタテを食べましょう!
●タウリンの量は1日にホタテ1個で十分
ホタテの旬は産卵後の貝柱が成長する夏と、産卵前で精巣や卵巣が太る冬から春にかけて。
ホタテはタンパク質が非常に多く、脂質が少ないのが特徴です。あっさりとした割にコクがあるのは貝類に多いコハク酸や、グルタミン酸というアミノ酸のせいなのです。特にコハク酸はアサリの10倍も含まれています。
タンパク質豊富なホタテには機能的なアミノ酸が多く、代表的なもので、まず特筆すべきタウリン。 このタウリンは魚介類に豊富に含まれていますが、その中でもホタテはトップクラスの量です。成人男性が1日に必要とする量は中ぐらいのホタテ1個で十分にまかなえます。タウリンは過剰に摂取しても余った分は排出され、副作用の心配もありません。タウリンは人間の網膜や脳、筋肉、心臓などの臓器に多く含まれ、摂取することで幅広い効用があります。
タウリンの効用としては眼精疲労の回復や視力低下防止、そして心筋の収縮力を高め、不整脈などの予防にも効果的です。また、高血圧の改善、肝臓機能の強化、血中コレステロールの低減、気管支喘息の改善、糖尿病の予防にも役立ちます。これだけ効用があればタウリンがよくドリンク剤に入っているのもうなずけます。
タウリンは加熱に強いですが水溶性なので、ホタテの煮汁は残さないようにしましょう。
ホタテにはグリシンやアスパラギン酸というアミノ酸も豊富です。グリシンは筋肉を強化し、肌のハリや潤いを保ってくれます。体内の組織同士をつなぐコラーゲンの3割はこのグリシンでできているからです。アスパラギン酸は体内の不用物を排出し、慢性疲労や不眠症を改善してくれます。中華料理のダシなどに使われる干し貝柱はアミノ酸が濃縮され、旨味だけでなく栄養的にも優れた食材なのです。
●ホタテで疲労回復
青森県はホタテの産地として有名ですが、県の研究でホタテに含まれるグリコーゲンには抗がん作用があることが報告されています。グリコーゲンは運動のエネルギー源として人間の肝臓や筋肉に貯蔵されている糖類なんです。グリコーゲンを補えば疲労回復にも効果があります。
ただし、1年を通してこのグリコーゲンが一番多く含まれているのは夏の7~8月で、寒い時期と比較すると36倍もの差があるので、夏はホタテの刺身などいいかもしれませんね。
ホタテはミネラルの宝庫でもあり、特に亜鉛の含有量はカキに次いで2番目に多いです。そしてマグネシウムや鉄分も豊富に含まれています。亜鉛は男女の性ホルモンの働きを助け、不足すると男性では精子の数が減ってしまいます。
また、亜鉛不足は味覚異常を引き起こし、結果的に濃い味を好む傾向になり、健康を害しやすくなります。近年増加している「キレやすい子供」は、亜鉛やマグネシウム不足が原因のひとつといわれています。ホタテには精神安定に効くビタミン B12も多く含まれています。
●健康メニュー
殻つきのホタテを開く時は、平たい方の殻の面に沿ってナイフを滑らせ、殻を外します。黒いウロは食べない方が無難なようです。ヒモ(外套膜)包丁の背でぬめりを取り、塩でもみ洗いします。貝柱とヒモは生のままキムチ漬とあえると、辛さがマイルドになり、旨味も増します。ホタテは加熱しすぎると風味が落ちますので注意が必要です。
«豆乳・ゆばでダイエット |食の効能・効用 豆知識Home| アボカドは森のバター»