バナナで便秘解消
バナナには、強力な抗酸化作用と、イライラ気分を吹き飛ばすパワーがいっぱいです。熟成度で効用も変化する奥の深いフルーツです。
●バナナで理想的なエネルギー補給
バナナは便利な果物です。
テレビなどで、「朝バナナダイエット」が取り上げられ、朝にバナナを食べるだけで体質が改善して徐々に痩せることができる、さらに便秘や冷え性改善などにも効果があるという話が広がり、近年注目されていますが、あまりにも日常的な果物のためか栄養面での優秀さをきちんと分っている人は意外と少ないようです。
バナナのあの甘さとねっとり感にはブドウ糖、果糖、蔗糖(しょとう)、デンプンなど複数の糖類が含まれ、これらは体内で燃焼する速度が少しずつ異なっています。つまりバナナのエネルギーは、即効性と持続性を兼ね備えています。
プロゴルファーや、長時間にわたる手術をする外科医の中には、バナナを補給する人が多いようです。また、カリウムがたっぷり含まれ、これが筋肉の動きを円滑にしてくれます。朝食を取る時間がないときでも、バナナを1本食べ、相性の良い牛乳を飲むことで朝のダルさなどかなり克服できます。
また、バナナに含まれるフラクトオリゴ糖(ショ糖にフラクトースが結びついたもの)には腸内のビフィズス菌を増やす効果があり、便秘、総コレステロール、トリグリセライド、血糖、血圧の改善、また大腸がんの予防によいといわれています。
バナナは追熟するにしたがって色が変化しますが、熟成度でその効用も変わってきます。緑色が残る若いバナナには難消化性デンプンが多く、小腸で吸収されずに大腸で乳酸菌のエサになります。これによって便秘の解消に役立つわけです。全体が黄色のバナナにはカリウムやマグネシウムが豊富で、血流の改善、血圧を抑える効果があり、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の予防に有効です。
そして、シュガースポットと呼ばれる黒い斑点が現れた完熟したものは免疫力を増強させる力がダントツに強いのです。ウイルスや細菌と戦う白血球の数を増やし、しかもその白血球の質を高めるのです。これはバナナを食べた後の血液中に、白血球の攻撃力を強めるTNF(腫瘍壊死因子)という物質が増加することから解明されました。また、完熟バナナの免疫力を強める力は、ガン治療に使われる免疫賦活剤(免疫力を強化する薬)に匹敵するといわれています。
●「心の風邪」にバナナが役立つ
自殺者数のうち8割近くがうつ病だといわれています。
この病気の原因のひとつとして、脳内物質セロトニンの不足と、その作用の低下があげられています。セロトニンは「癒しホルモン」と呼ばれ、過剰な興奮や不快感を鎮めますが、ストレスがたまると減り、神経細胞間の授受能力も落ちてしまいます。
バナナにはセロトニンと、その材料となる必須アミノ酸のトリプトファン、そしてその生成を助けるビタミンB6が豊富に含まれていて、相乗的にセロトニンを摂取することができます。また、精神を安定させるマグネシウムも多いです。うつ病は小学生にも増え、セロトニン不足はあらゆる「依存症」の原因にもなります。
バナナを食べて、元気ハツラツとした毎日を送りましょう!
●健康メニュー
バナナは熱帯性の果物なので、冷蔵庫に入れるとバランスよく追熟しません。涼しい室内に山形に置きましょう。バナナをひと口大に切り、ベーコンで巻き、ようじで留めてオーブンなどで軽く焼くと、甘さが抑えられたオツな一品になります。バナナは加熱すると抗酸化作用が増します。皮ごと1分レンジに入れると手軽です。
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