カブは丸ごと食べよう
カブは、胃腸を快適にし、骨の健康やストレスに効く!カブは、正月7日に粥(かゆ)にする七草のひとつで、無病息災を願い、邪気を祓う七草粥の風習は、室町時代ではすでに定着していたと言われています。
カブの根(胚軸)には、同じく七草のひとつ大根と同様にデンプン消化酵素のジアスターゼが含まれています。正月料理や飲酒で疲れた胃腸をこの消化酵素が優しく胃腸を労わってくれ、胸焼けや消化不良を改善してくれます。ただし、カブのこれらの働きを期待するには、生のまま食べた方が効果があります。その理由は、ジアスターゼは加熱に弱いからです。漬物やサラダもいいのですが、カブをすりおろして食べると食欲不振に効き、体内の余分な水分も排出してくれるのです。
カブは大根に較べると多少ぬめりがありますが、これはペクチンという植物繊維のためです。このペクチンには整腸作用のほか、コレステロールを減らす効果があり、動脈硬化や心臓病を予防する働きを持っています。
カブは根よりも葉のほうが栄養的に優れています。カブの葉にはカルシウムがほうれん草の約5倍、ビタミンCは約3倍も含まれています。これら以外にもカルシウムと一緒に働くマグネシウムや、血圧を下げるカリウム、カロテンなども豊富です。
また、カブの葉にはビタミンKや、ビタミンB群のひとつであるパントテン酸が多く含まれています。ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させるとともに、骨からカルシウムが流出するのを防いでくれます。骨を丈夫にしたかったらビタミンKの摂取も役立ちます。ビタミンKは緑黄色野菜や納豆、海草などに多く含まれています。そして、パントテン酸はストレスによる心臓の負担を軽くし、円型脱毛症の改善や、脂肪や糖の代謝を助けるのに有効です。
カブはブロッコリーやワサビなどと同じアブラナ科の植物ですが、アブラナ科の野菜には、ガンを予防するイソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは辛味の成分のひとつで、カブの根と葉の両方に含まれています。
旬のカブはアクが少ないので食べやすく、種類も豊富です。青々とした葉は栄養もたっぷりで炒め物にもよいですよ。カブを丸ごと食べて、厳しくなる寒さを乗り切りましょう!