柿は飲酒の前に
柿はビタミンやタンニンが豊富で、ストレスに負けない体を作り、酷使される肝臓もいたわってくれます。
●柿は丸ごと! 二日酔い対策
柿は実を食べるだけでなく、葉や種は古くから民間薬として珍重されてきました。また、柿から抽出した渋(しぶ)は木材や工芸品の塗料、虫刺され、打ち身などの薬として使われ、とても有用な果実です。
「柿が赤くなると医者が青くなる」という格言があります。柿がリンゴやトマトに入れ替わることもありますが、それだけ赤い果物や野菜には薬効が多いということですね。
柿には糖質、カロテン、ビタミンC、カリウム、植物繊維などが豊富で、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。タンニンは緑茶や赤ワインにもある渋みの元なのです。柿はそれらよりなんと!50倍もタンニンを含有しています。
一般的にタンニンには強い抗酸化作用があり、血圧の安定や疲労回復に効果的です。
特に飲酒の前に柿を食べておくと、タンニンが胃粘膜に作用し、アルコールを吸収しにくくなり、悪酔いを防ぐことが出来ます。さらに、タンニンそのものが二日酔いの元凶アセトアルデヒドの分解を促進させる働きもあります。タンニンは皮に多いので、この効果を期待するのなら丸ごと食べるようにしましょう。
柿は飲酒する人の強い味方で、タンニンのほかにデヒドロゲナーゼというアルコール分解酵素、肝臓の機能を高めるアミノ酸のシスチン、利尿効果があるカリウムが多く、相乗的に肝臓の負担を減らしくれます。また、水溶性植物繊維のペクチンがアルコールの吸収を抑制する働きがあります。柿はできれば飲酒前や、飲酒の最中に食べたいものですが、二日酔いになった後でも効果があります。前述の効用のほかに、果糖やブドウ糖が低血糖を解消し、脱力症状を緩和してくれます。ちなみに二日酔いに「迎え酒」は俗信ですよ。
お酒の麻薬作用で一時的に楽になるだけで、二日酔いは先送りになるだけです。
●柿はベータカロテンが濃縮
柿のビタミンCの量はみかんの約2倍もあり、大きめの柿なら1個で1日の必要量がまかなえます。ビタミンCは抗ストレスビタミンとしてぜひ継続して摂取したいものです。例えば突然自動車が飛び出してきてドキッとした場合、500mgのビタミンC(1日の必要量の5倍)が消費されます。また、喫煙でも1本で25mgのビタミンCが消費されてしまいます。非喫煙者が吸わされる副流煙でも同様です。
柿の赤い色はベータカロテンやトマトでお馴染みのリコピンに由来し、どちらも強い抗酸化物質です。ビタミンCと相乗して風邪の予防、粘膜や皮膚の強化、高血圧などに効力を発揮します。特に干し柿は生より数倍もベータカロテンを含み、生のように冷やす心配もありません。干し柿を冷凍にして薄く切り、青カビチーズをサンドしたものは乙な酒の肴になります。
●健康メニュー
柿と大根の千切りを三杯酢などであえた「柿なます」は昔からある料理です。
酢がビタミンCの損失を防ぎます。また、すりおろした柿は酵素の働きが倍増します。ドレッシングなどに使えますよ。渋柿はヘタに焼酎やウイスキーなどを塗り、密閉して2週間ほど冷蔵すると、渋が抜けてトロンとしたゼリー状の柿が食べられます。
【歯周病・歯槽膿漏でお悩みの方に】
最近、渋柿を砕いて搾り、発酵させた上澄み液で歯茎をマッサージしてやると、歯周病や歯槽膿漏の改善に効果があると言われています。
歯科では、Wood Pyros(ウッドピロス)という商品名で扱っています。
この渋柿歯磨き(ウッドピロス)は歯科医の指導のもと、実行するのがよいようです。
が、現在のところ市販はされてないようです。
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